
保育士は給料が低いと言われいますが、これからも低いんですかね?まだ先の事でするかもわからないのですが、結婚したら共働きになってしまいますよね? 周りの人はこれから高くなると言っているのですが‥‥
以下省略
引用:yahoo知恵袋

上記の疑問に対しての結論。
● 保育士の給料でも、結婚して子どもを育てることは十分に可能です。
● 保育士の年収は全体的に見ると平均より低めですが、手当が充実している園を選ぶことで、安定した収入を得ることができます。
また、国の支援制度や政策の動きから見ても、今後は保育士の収入がさらにアップしていく可能性があります。
私は現役で働いている男性保育士です。保育士としての経験は8年になります。
現在の年収はおよそ460万円で、専業主婦の妻と子ども1人を養いながら生活しています。
これまでの経験を通して得たことをもとに、皆さんの疑問や不安にできるだけ丁寧にお答えしていきます。
私はこれまでに7回の転職を経験し、5つの私立保育園で働いてきました。
その中でわかったのは、「保育園によって給料や職務改善手当、住宅手当などの条件が大きく違う」ということです。
いくつもの園で働いてきた結果、今は年収460万円の園にたどり着くことができました。
今回は、そうした私の経験をふまえて、保育士が年収アップを目指すうえで「知っておきたい大切なポイント」を、できるだけわかりやすくまとめてみました。
この記事を読めば、「どんな保育園に就職すれば年収アップが目指せるのか」がわかります!
男性保育士の現状は?気になる給料や年収って、実際どれくらい?

男性保育士は本当に増えている?最新データで見る現状
男性保育士(人) | |
令和6年4月1日 | 98.676 |
令和5年4月1日 | 94.462 |
令和4年4月1日 | 90.148 |
令和3年4月1日 | 86.207 |
令和2年4月1日 | 82.330 |
参考サイト:子ども家庭庁
近年、男性保育士の数は少しずつ増えています。
子どもたちにとっても、男性保育士の存在は大切で、保育の現場でもその役割が注目されています。
男性保育士の年収は、同年代の平均より低めの傾向に
年収 | |
男性全職種(37歳) | 532万円 |
男性保育士(37歳) | 438万円 |
参考サイト:厚生労働省『令和6年賃金構造基本統計調査』

この表からは、男性保育士の年収が、同年代の他職種と比較しておよそ100万円ほど低い傾向にあることが読み取れます。
保育士の年齢別年収データ
以下の表を見ると、勤続年数が長くなるにつれて、昇給やキャリアアップの制度により、平均年収も少しずつ上がっていることがわかります。
年齢(歳) | 平均年収(万円) |
20-24 | 334 |
25-29 | 372 |
30-34 | 389 |
35-39 | 430 |
40-44 | 420 |
45-49 | 439 |
50-54 | 434 |
55-59 | 466 |
60-64 | 443 |
65-69 | 359 |
70‐ | 720 |
参考サイト:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」

私は現在33歳で、保育士歴は8年になります。(2025年時点)
キャリアアップ制度を利用して、毎月4万円がプラスされ、年収は460万円になりました。
30~34歳の平均年収と比べると、70万円ほど多くもらっています。
このことからも、働く園によって給料に大きな差が出ることがわかります。
保育士の給料は年々上がっている

国や施設が続けてきた処遇改善の取り組みによって、保育士の年収は少しずつ上がってきています。
最新データ(令和元年)では、保育士の平均年収は364万円になっています。
処遇改善が本格的に始まった2013年(平成25年)当時の平均年収は310万円だったので、6年間で50万円以上も増えたことがわかります。

【2024年12月最新情報】保育士の人件費が10.7%引き上げへ|こども家庭庁が発表

こども家庭庁の令和6年度補正予算案において、保育士等の処遇の抜本的な改善が示されました。「人事院勧告に準拠した改善(基本分単価等の引上げ)」を過去最大の10.7%とするとしています。
引用:子ども家庭庁「委員提出資料」

将来、結婚を考えていて、安定した収入を望んでいる男性保育士にとっても、嬉しい発表ですね。
どんな保育園に就職すれば年収アップが目指せるのか


上記に3つの園に就職することで年収アップが期待できます。
また、経験を積んで管理職を目指すことでさらに年収が高くなります。
手当が充実している認可保育園で働く
園選びのポイント3つ
● 基本給は十分かどうか
● ボーナスは何ヶ月分か
● 職務改善手当がしっかりと保育士に還元されているか
● キャリアアップ研修に参加できるかどうか
● 住宅手当は十分に支給されているか
基本給は十分かどうか
保育士として働く上で、基本給が十分でないと生活が厳しくなりがちです。自分の生活に合った基本給が支給されているか、確認しておくことが大切です。

命を預かる保育園で働く以上、「給料が少ないから仕事が楽」ということは絶対にありません。
ボーナスは何か月分か
ボーナスの支給月数は、保育士の収入を大きく左右します。一般的に、ボーナスは年に2回支給されることが多いですが、施設によって支給額や回数に差があるため、就職を考える際は必ず確認しておきましょう。
職務改善手当がしっかりと保育士に還元されているか
職遇改善手当がもらえるのは…
●対象は認可保育園のみ(公立保育園、私立保育園、小規模保育事業、企業主導型保育事業など)
●保育園側が行政へ事前に申請の手続きをしておく必要がある
上記の条件を満たしていない園では、職務改善手当をもらうことができません。
また、条件を満たしていても園によっては十分に保育士に還元されていないケースもあります。
転職先を選ぶ際には、職務改善手当がどのように支給されているか、きちんと確認しておきましょう。
手当がしっかり反映されている園を選ぶことで、収入アップや働きやすさにもつながります。

処遇改善手当は、基本給とは別に支払われるお金です。
そのため、給料明細には「処遇改善手当〇〇円」というようにはっきり書かれています。
給料明細を見れば、「自分が今、どれくらいの処遇改善手当てをもらっているのか」
が、すぐに確認できます。

職遇改善手当Ⅰ
平成25年~:全ての職員を対象に、平均経験年数・キャリアパスの構築等に応じ加算率(最大19%)を設定し処遇改善を実施。
職遇改善手当Ⅱ
平成29年~:中堅職員や専門リーダーを対象に、技能・経験に応じて処遇改善を実施。
月額5,000円~40,000円ほど給料がアップします。


職員がキャリアアップ研修に参加するためには、1つの分野で15時間以上受講することが必要です。しかし、人手が足りない保育園では、研修に参加できないこともあります。
そのため、面接のときに「キャリアアップ制度の研修に参加できるかどうか」を必ず確認する必要があります。
職遇改善手当Ⅲ
令和4年~:全ての職員を対象に、賃上げ効果が継続される取組を行うことを前提に、処遇改善を実施
月額9,000円が給料に上乗せされる制度ができました。

職遇改善手当Ⅲは期間限定の施策でありました。
しかし、内閣府発表のリーフレットによると「今回の補助事業の実施期間は令和4年2月から9月までですが、令和4年10月以降も、公定価格の見直しにより、収入を3%程度(月額9,000円)引き上げる措置を継続します」と明記されています。
参考サイト:内閣府リーフレット「令和4年2月から教育・保育の現場で働く方々の収入の引上げに必要な費用を補助します」
住宅手当は十分に支給されているか
家賃補助に関する保育士の選択肢3つ
●園から住宅手当をもらう
●園独自の運営する寮・社宅に入居する
●国の支援による「保育士借り上げ支援事業」で園が借り上げた社宅に入居する
これら3つの家賃補助や手当は、同時にもらうことはできません。

私がこれまでに勤務してきた5つの園での住宅補助や手当についてご紹介します。
1園目 2万円
2園目 なし
3園目 2万円
4園目 6万円(借り上げ住宅)
5園目 6万円→2万円(借り上げ住宅→住宅手当に変更したため減額)
保育園からの住宅手当(家賃補助)
住宅手当の金額目安【手当額は1~2万円前後】
金額は園によって異なりますが、月に1~2万円前後が一般的です。
住宅手当が支給されない園も多くあるため、事前に確認することが大切です。

家賃手当は園により違うので必ずチェックしましょう!
保育園独自の寮制度
寮や社宅の家賃は、一般的な家賃の約20~50%程度といわれており、かなり安い費用で職場の近くに住むことができます。

園に寮制度がある場合でも、男性用の施設が整っていないなどの理由で、男性保育士が入寮できないこともあります。そのため、事前に確認しておくことをおすすめします。
国の支援による保育士宿舎借り上げ支援事業
宿舎借り上げ支援の金額目安【最大月82,000円】
国は保育士が働き続けやすいよう支援する取り組みの一つとして、「保育士宿舎借り上げ支援事業」という補助制度を実施しています。
求人票や求人サイトに「借り上げ社宅・寮あり」と書かれている場合は、「保育士宿舎借り上げ支援事業」を活用した補助が受けられることを意味しています。
現在、この借り上げ社宅制度は、家賃補助制度の中でも最も手厚い支援が受けられる制度です。
自治体や園が定めた上限額の範囲内であれば、家賃が実質無料になるケースもあります。

私が現在勤務している園では、最初は借り上げ社宅制度を利用できていました。
しかし途中から、「園がある区、またはその隣にある3つの区のいずれかに住んでいること。」という条件がつき、制度の内容が変更されました。
その結果、家賃が全額補助されていた制度は使えなくなり、代わりに住宅手当が支給されるようになりましたが、補助の金額は6万円(アパート代全額)から2万円になってしまいました。
“令和5年度概算要求においては、事業の対象となる者とならない者との公平性等に鑑み、令和4年度に引き続き、対象期間の段階的な見直し(8年→7年)を行う。”
参考サイト:厚生労働省 令和5年度 保育関係予算概算要求の概要 30p
令和5年の時点では、借り上げ社宅制度の利用期間は最長で7年間とされています。
そのため、ずっと使い続けられる制度ではないことに注意が必要です。
夜勤のある保育園で働く
院内保育園や夜間保育を行っている施設では、深夜手当や早朝手当などが支給されることが多く、保育士の給料が高くなる傾向があります。
特に24時間体制の病院内保育園では、病院で働く保護者のシフトに合わせて夜勤がある場合もあり、その分、深夜の割増賃金によって収入アップが期待できます。

夜勤による生活リズムの乱れは、体調に影響を与えることがあります。
そのため、働き方やシフトについて事前に確認し、自分が無理なく働けるかどうかを考えることが大切です。
病院・企業内の保育所といった事業所内保育所に特化した転職エージェント【保育バランス】
公立保育園で働く
公立の保育園で働く公務員保育士は、地方公務員の給料体系が適用されるため、安定した収入が期待できます。
また、勤務年数に応じて給料が上がっていくため、長く働くほど私立の保育園との収入差が広がっていく傾向があります。
さらに、公務員保育士は退職金やボーナスも安定して支給されるのが特徴です。

公務員保育士などの地方公務員試験には、年齢の上限が決められていることがあります。
何歳まで受験できるかは自治体ごとに異なるため、受験を希望する自治体の募集要項を事前にしっかり確認しましょう。
管理職を目指す
役職に就くことで、年収がアップする可能性があります。
特に、主任保育士や園長などのポジションになると、大幅な年収アップが期待できるでしょう。
主任保育士や園長の年収は施設によって異なりますが、平均的な年収は以下のとおりです。
公立保育園 | 私立保育園 | |
主任保育士 | 595万9,476円 | 459万6,348円 |
園長(施設長) | 654万0,636円 | 638万5,164円 |
参考サイト:厚生労働省「幼稚園・保育所等の経営実態調査結果」
主任保育士や園長を目指したい方は、まず「キャリアアップ研修」を受講し、段階的にスキルや知識を身につけていくのがおすすめです。
計画的にキャリアを積むことで、将来のステップアップにつながります。
まとめ

年収アップを目指す方法4つをご紹介しました。
■ 手当が充実している認可保育園で働く
■ 夜勤のある保育園で働く
■ 公立保育園で働く
■ 管理職を目指す
ここまで4つのポイントをご紹介しましたが、生活スタイルを大きく変えずにすぐ実践できることは次の3つを意識して転職や就職をすることです。
☑ 今より基本給やボーナスが高い園
☑ 住宅手当などの手当が充実している園
☑ 職員の待遇改善手当が、きちんと保育士に還元されている園
このような園を視野に入れて転職又就職活動ををすることで、無理なく収入アップを目指すことができます。

私自身、これまでに7回の転職を経験し、5園目にしてようやく、給料が高く手当も充実した園に出会うことができました。
皆さんも、自分に合った年収の高い園に出会えることを、心から願っています。
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